Webフィルタリングソフトの導入は平成13年度いち早い対応で、市民の信頼を獲得
「山は富士海は瀬戸内湯は別府」日本屈指の温泉地、別府市。豊富な湯量と美しい景観を誇り、古くから観光都市として多くの人々に親しまれてきました。そんな同市で、市民の生活を見守り続けているフィルタリングソフトが導入されたのは、地域インフラ整備事業が行なわれた平成13年度のことでした。当時はウイルス感染やフィッシングサイトの危険性に対し、現在ほど意識が高くない時代。庁舎内のパソコンも、わずかな台数にすぎませんでした。しかし「だからこそ導入の必要性を感じた」と別府市企画部・情報推進課の大田英晶課長は語ります。「当時は各課にパソコンが1台しかなく、職員も操作に不慣れでした。危険なサイトにアクセスしないよう指導しても、『間違ってURLをクリックしてしまった』など意図せずアクセスする恐れがあります。職員教育でモラルは向上できても、ミスはどうしても避けられません。そこで情報推進課としては、Webフィルタリングソフトを用いてサーバ側でブロックしようと考えたのです。市民の皆様から信頼を得るためにも、必要な対策だと思いました」(大田さん)。
テスト運用で実感した「i-FILTER」の有用性コストパフォーマンスの高さも決め手に
当時は外国産であるA社の製品を利用していた別府市役所ですが、ライセンス契約が終了する平成15年度に入れ替えを検討。候補に挙がった3製品の中に、「i-FILTER」もありました。そこで行なったのが、試用版によるテスト運用。約半年間3社の製品を使用し、比較検討するという試みでした。情報推進課 地域情報係主任の松本弘次さんは、当時をこう振り返ります。「こちらの意図どおりにサイトをブロックするか、管理画面が使いやすいか、ログはどんな形で見られるのか……あらゆる角度から比較検討しました。その結果、いちばん使いやすかったのが「i-FILTER」。海外製品は、英語のサイトはブロックしても、日本語サイトはガードが甘いことがあります。その点、国産ソフトの「i-FILTER」は万全です。しかも管理画面は日本語で表示され、インターフェイスが優れているのでマニュアルなしでも使いこなせました」。また、コスト面でも「i-FILTER」の優位性を感じたそうです。「公共機関ですから、やはりコストは重視します。他社製品に比べて約2割のコストダウンを実現できるのも魅力でした」(松本さん)。
官公庁のニーズに応えるきめ細やかなフィルタリング機能
業務が多岐に渡る官公庁では、業務に応じて対応できる柔軟なフィルタリング機能が求められます。「i-FILTER」は「禁止」「許可」だけでなく、「パスワード解除」、「警告」の4段階に設定可能。別府市役所では、この機能を大いに活用しているといいます。「市役所では競輪事業も管理しているので、一概に『ギャンブルのサイトは閲覧禁止』とできません。『警告』を表示し、業務に必要があれば申請書なしでアクセスできるのは便利ですね。しかも管理者画面のログを見れば、警告を解除した端末が確認できるので安心です」(松本さん)。別府市では、市役所庁舎内、公民館、図書館などに設置した市民用端末にも「i-FILTER」を導入しています。契約したライセンスを、職員用端末と市民用端末に振り分けられるのも大きなメリット。市役所職員だけでなく市民をも、有害サイトから守っているのです。
問点には即対応、ユーザの声を聞き機能改善、万全のサポート体制も高く評価
大田さん、松本さんともに高く評価しているのが、「i-FILTER」のサポート体制です。「質問すれば、営業担当者から1、2日でレスポンスが返ってきます。疑問点を放置せずにすむので業務に支障が出ないのがいいですね」(大田さん)。テスト運用の段階から、きめ細やかなサポートが受けられたのも好印象でした。松本さんは当時から充実したサポート体制を実感していたそうです。「設定時には基本的なことから『上位プロキシサーバに振り分けを行なうにはどうすればいいか』など専門性の高いことまで、様々な疑問が生じます。そもそも私どもが目指していたのは、職員に対しわかりやすい画面。禁止画面ひとつとっても、アクセス申請書の送付先にリンクを貼るなど使いやすくカスタマイズしたいと思っていました。そんな個別の質問にもスピーディに対応していただいたため、入れ替え時の設定もスムーズでした」(松本さん)。
さらに、実際の使用で感じた不満点は、担当者に直接伝えられるのも大きなポイントでした。「実は導入時にはプロキシ機能に対するログ管理に不満を感じていたんです。営業担当の方に伝えたところ、現行のバージョンでは問題解消。ユーザの声を聞き、機能改善していただけるのはうれしい限りです」(松本さん)。
職員のセキュリティ意識を高め、ネットワーク環境の未来を支える「i-FILTER」
では、実際にインターネットを利用する職員の反応はいかがでしょうか。松本さんから返ってきたのは、別府市職員のセキュリティ意識の高さを裏付ける答えでした。「ログをチェックしても、禁止サイトにアクセスしようとしたり、警告を何度も解除する端末は見当たらないんです。早くからWebフィルタリングを導入していたので、職員がアクセスを制限される環境に慣れているのかもしれませんね」(松本さん)。また、禁止・警告画面に表示されるメッセージも、大きな抑止力になっているそうです。「禁止サイトを閲覧しようとすると、『サーバにログが残ります』と表示されるんです。このメッセージは効果てきめん。インターネットに不慣れな職員でも、この表示を見るとセキュリティ意識が高まるようですね。もちろん新人研修を行なったり、レポート機能でログを確認したり、情報推進課としても様々な対策を取っています」(松本さん)。最近では仮想インフラの構築にも取り組むなど、先進性なITサービスを推進する別府市役所。「i-FILTER」は、そんな別府市のネットワーク環境をしっかりと支えています。
日本が誇る世界有数の温泉地 観光都市として今なお成長
九州の北東部、大分県東海岸の中央部に位置する別府市。温泉湧出量、源泉数ともに日本一を誇る国際観光温泉文化都市で、年間約1,100万人にものぼる観光客が訪れています。市内には「別府八湯」と呼ばれる温泉エリアが点在し、各湯を周遊する「地獄めぐり」は観光の定番コースに。大地から立ちのぼる湯煙は、別府を象徴する風景となっています。また、約4,000人もの留学生を招き入れており、国際交流都市としてもめざましい成長を遂げています。