交通の要衝、高崎市のインターネット導入は1998年
IT分野でも安全なインフラ整備を目指す
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情報化セキュリティ担当 係長
木本 弘幸氏
複数の国道や高速道路、新幹線の分岐地点である高崎市は、江戸時代から続く由緒ある全国有数の交通拠点都市です。2006年に実施された通称「平成の大合併」を経て、群馬県一となる人口37万人を超える都市に発展しています。そんな集客都市の中枢を支え続けているのが、高崎市役所です。
高崎市役所が初めてインターネットを導入したのは、1998年のことでした。市庁舎の完成と同時に導入されたのですが、当時は市内の公立教育施設への導入が中心で、市職員がインターネットを使用できる環境は、各課に1台程度と限られていたそうです。
木本氏:「当時は職員に対するものではなく、教育機関で生徒が使用するためのフィルタリングのみを意識したため、他社製品を採用しておりました。職員全体のセキュリティ強化、リテラシー向上の必要性が高まったのは、平成の大合併を経て職員全員にインターネット環境が整備された2006年以降のことです」。
情報政策課課長補佐兼情報化セキュリティ担当係長である木本氏は、当時を振り返ります。
決め手は「i-FILTER Info Board」
フィルタリングソフトを「i-FILTER」へ乗り換え実施

しかし、当初は性能面に不満はなく、ソフトの更新時もそのまま他社製品を継続する予定だったのだとか。公共施設でのIT 投資は本来、安全確実性を重視します。そのため、大幅なコストダウンと同程度のクオリティが保証される場合か、同価格帯で性能向上を実現できるかのどちらかでなければ乗り換えという選択肢は発生しないものです。では、なぜフィルタリングソフトの乗り換えに踏み切ったのでしょうか。
木本氏:「契約更新が近づいた2011年5月に、デジタルアーツさんから紹介いただいて、初めて「i-FILTER Info Board」の存在を知りました。2006年以降、セキュリティポリシーの浸透が課題になっていたのですが、説明を聞き、これならばトップダウンでない形で職員のリテラシー向上を期待できると直感しました。つまり「i-FILTER」への乗り換えに踏み切ったのは、同じコストで移行を安全かつ確実に行える上、「i-FILTER Info Board」と「i-FILTER Log Search」でより高い付加価値を得られると判断したためです」。
より自然に受け入れられる導入のために「i-FILTER Log Search」をフル活用
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こうして2012年4月に「i-FILTER」が導入されました。
江口氏:「フィルタリング内容や設定を変えることなく、移行時も移行後も問題なくスムーズに導入が行なえました。実際導入前と比べると、インターフェイスも使いやすく、より管理しやすくなっています。中でも膨大なアクセスログを解析し、特定のアクセスを抽出できる「i-FILTER Log Search」は、フィルタリングソフトの有用性や、「Info Board」導入の必要性を証明する際、そして海外からの不正アクセス対策にとても役立ちました。これまでのソフトでは、詳細なログ解析ができなかったのです」。
同時に「i-FILTER Info Board」も導入しましたが、この時点ではまだ実務環境には導入せず、2012年8~9月と、時間をかけて導入されています。それはなぜでしょうか。
江口氏:「そもそも「Info Board」を導入したのは、トップダウンではなく、職員自身が常に情報リテラシーを意識してインターネットを使って欲しいという思いからでした。そのためには、導入するときも、より自然に受け入れやすい状況で導入する必要があります。そこで私たちは課内のみ「Info Board」を導入し、いつ情報をポップアップさせるか、リテラシー向上を狙える画面を切磋琢磨しながら、適切な導入タイミングを検討していたのです」。
「i-FILTER Info Board」導入後、情報セキュリティへの意識が自然に向上
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情報化セキュリティ担当
江口 淳一郎 氏
そして2012年の秋、「Info Board」導入の機は訪れました。PC のリプレースに合わせて、本格導入。朝の出勤後と午後にブラウザーを立ち上げた際、「Info Board」が表示されるようにしたのです。ボードには大きく注意書きを入れ、情報セキュリティポリシー詳細へのリンクを貼り、同意しなければインターネットには接続されない仕組みを活用しています。
導入してからの職員の反応について、江口さんに伺いました。
江口氏:「市庁舎の下階部分から順次リプレースしてゆき、それに合わせて導入をしました。実際にはひと手間増える形になりますが、職員たちには「新しいPCからはこのように表示されるようになったのだな」と、ごく自然に受け入れてもらえたようです。タイミングが適していたのでしょう。クレームや問い合わせは1件もありませんでした。別業務で他の課に行ったときに「情報政策課が努力している」と言ってもらえたため、導入意図が正確に浸透していると感じました。実際に問題のあるアクセスは減っており、「Info Board」の効果を実感しています」。
情報リテラシーをさらに高められるIT利用環境をデジタルアーツと作ってゆきたい
「Info Board」導入により、職員全体のリテラシー向上を体感しているという同市。最後に今後について伺いました。
江口氏:「以前より職員専用のグループウェア内にセキュリティポリシーを置いています。しかし日常業務で忙しいだけに、必要時にコンテンツを読みに行くような状況でした。しかし今後は、「Info Board」をさらに活用し、自然とポリシーの内容が頭に入るよう、その一文をピックアップして表示し、定期的に切り替えるようにできればと検討しています」。
木本氏:「我々にはやはり専門家の知識が必要です。職員の情報リテラシーをより高めるためにも、これからも、今回のようにデジタルアーツさんの助言をいただきつつ、切磋琢磨してゆきたいです」。
今後もデジタルアーツは期待に応え、より快適なインターネット環境を実現すべく、さらに技術を磨き、サポートしてゆきます。
【高崎だるま】全国シェア80%を誇る縁起だるまとゆるキャラが陸路も縁もつなぐ
眉は鶴、口ひげは亀を表すとされる縁起だるまは、生産量日本一を誇る、高崎市の産業のひとつです。毎年1月6~7日に少林山達磨寺で一晩中開催される「少林山七草大祭だるま市」は、全国から約21万人もの人々が、一年の福を求めて訪れます。
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また2007年より、第25 回全国都市緑化フェアの高崎会場でのマスコットキャラクターとして、ゆるキャラ「タカポン」が公募により誕生しました。現在も市内各地でのPR 役として活躍し、密かな人気を集めており、「高崎だるま」とともに、高崎市の新名物として知名度を上げています。