導入事例

ご担当者様の声
「『i-FILTER』Ver.10と『m-FILTER』Ver.5の組み合わせで、教員と児童生徒がChromebookを最大限に活かす環境を構築」
学校教育部 教育センター所長 林氏

東京都 町田市教育委員会

東京都 町田市教育委員会
東京都町田市は、都心から30km〜40kmの距離にあり、神奈川県と接しています。大規模団地と商圏人口200万人の商業地があり、周辺は豊かな自然に囲まれています。大学も多く、交通の便も良いことから若者が集まる活気ある街です。

新しい教育環境をめざして、LTE環境のChromebook 5,000台を導入

町田市教育委員会 学校教育部 教育センター所長 林啓 氏
町田市教育委員会 学校教育部
教育センター所長
林啓 氏

東京都町田市は、商業都市の利便性と豊かな自然環境をあわせ持つ魅力ある街です。人口約43万人の自治体で、市内には小学校42校と中学校20校があり、約31,000名の児童生徒が学んでいます。同市では『教育の情報化』と『えいごのまちだ』の2本を教育の柱として、主体的に学び、自己決定できる子どもたちの育成をめざしています。

町田市教育委員会(以下、町田市教)では、2017年度から5か年計画で本格的なICT環境整備に着手しました。その中で課題になったのは、新しい校務システムの導入や校務用パソコンの入れ替え、児童生徒が使用するタブレットの導入など、新しいICT環境整備に対して予算が限られていたことでした。そのため、端末の予算を抑えつつ台数を確保できるよう、教員用と児童生徒用の端末にChrome bookを選択。また、既設のWi-Fi環境の設備増強を伴わずに済むLTE環境を選択しました。

これについて町田市教育委員会 学校教育部 教育センター所長の林啓氏は、「端末やネットワークなど市内62校の整備費は膨大であり、イニシャルコスト、ランニングコストが抑えられる環境を重視しました。またLTEに関しては、これからの学びは場所にとらわれない学習環境も必要だと考え、導入を決めました」と述べています。取材時点で、教員用2,000台、児童生徒用3,000台の計5,000台のChromebookが稼働しています。

また町田市教のICT環境整備で特徴的なことは、Windowsのシンクライアント環境を構築し、教員用のChromebookから校務系ネットワークにセキュアにアクセスできる環境を整備したことです。これにより、1台の教員用端末で校務と学習に活用できる環境を実現。情報漏洩防止などのセキュリティが強化できたほか、いつでもどこでも校務系ネットワークにアクセスできることで、教員が学校外で仕事ができるようになり、教員の働き方改革にもつながりました。

林氏は「教員用の端末に情報が残らない環境を構築したいと考え、保守性の高いシンクライアントを導入しました。教育現場における情報漏洩の多くは、教員によるUSBメモリの置き忘れや紛失だと言われているので、シンクライアントでの校務はUSBメモリでのデータ持ち出しを無くすことへの対策にもなっています」と語っています。

全教員がGmailアカウントを取得、「m-FILTER」Ver.5でメールセキュリティを強化

教員や児童生徒がより安心・安全に活用できる環境をめざして、Webセキュリティ「i-FILTER」Ver.10とメールセキュリティ「m-FILTER」 Ver.5の両方を導入しました。なかでも、町田市教が重要視したのはメールのセキュリティを強化する「m-FILTER」Ver.5の導入でした。今回の整備で、全教員がGmailのアカウントを所持するようになったため、メールセキュリティを強化したい考えがありました。

「教員が自由に情報をメールで送受信できてしまう環境は、情報漏洩や外部からの攻撃の恐れがあります。たとえ本人に落ち度や悪意がなくても、情報を守ることが最優先であり、メールセキュリティ対策は当然必要だと考えていました」(林氏)

そのため町田市教では、「m-FILTER」Ver.5を通して教員のGmailアカウントからメールを外部へ送信できないように制限。外部へメールを送信したいときは、校長または副校長の承認を得る仕組みを構築しました。

一方で、町田市内全62校の教員や児童生徒、学校関係者が利用するネットワークについては、Webフィルタリングを強化する「i-FILTER」Ver.10を採用。同製品の選定理由については、「m-FILTER」Ver.5と親和性が高いこと、すでに町田市役所でも導入実績があり、信頼できる製品であることが要因でした。

現場からの要望を拾い上げ、教員がやりたい授業をできる環境へ

町田市教では、ヘルプデスクを設けて、操作方法の質問や故障時の対応を行っておりますが、教員の要望や困りごとなどといった現場の声を集める体制も整えています。たとえば、WebフィルタリングでYouTubeの動画閲覧を規制しているところ、教員によっては授業で“この動画だけは見せたい”といった要望を持つことがあります。こうした要望に対して、ヘルプデスクが現場の声を集約し、教育委員会が判断する運用にしています。

「教員にとって一番ストレスなのは、“自分たちのやりたい授業ができない”ということです。そのため、へルプデスクを窓口として規制の調整を相談することができるようにしました。『i-FILTER』Ver.10であればWebフィルタリングの細かい設定ができるので、特定のURLを一時的にアクセス可能にするといったこともできます。教員にとって『希望を伝えて実現できる手立てがあること』が、モチベーションの向上につながると思うのです」(林氏)

ヘルプデスクにあがった要望の例としては、教員用Gmailアカウントによる外部へのメール送信の承認者追加もそのひとつです。
「当初は校長の承認のみで運用していましたが、それでは現場が回らないとの要望を受けて、副校長の承認でも可能に変更しました。いったん厳しいルールで設定し、現場で運用してみてから利便性や使い勝手によって、最適な方法に変更しているのが町田市教の特徴で、こういった柔軟な対応も「i-FILTER」Ver.10と「m-FILTER」Ver.5であるからこそ実現できました」と林氏はいいます。

その他にも、町田市教では「i-FILTER」の利用状況のレポートバリエーションが多いことを高く評価しています。
林氏は、「ユーザー単位のログが多角的に見えることで、誰がどのような使い方をしているのか具体的に分かるようになりました。ヘルプデスクから定期的にレポートをもらっていますが、気になるログが記録されているユーザーが見つかれば指摘して、ヘルプデスクから連絡してもらうような流れにしています」と手応えを述べ、教員のリテラシー向上にも寄与しているといいます。

Chromebookにログインするだけで安心・安全な環境を実現

もともとは校務における情報漏洩対策などのセキュリティ対策としてシンクライアント環境が導入されました。副次的な効果として、教員が自宅や外出先からChromebookでシンクライアント環境に接続するときも「i-FILTER」Ver.10を経由しているため、いつでもどこでも安心・安全にテレワークができるようになり、教員の働き方改革が起きています。

「今まで、30分の校務を行うために、2時間かけて週末出勤する教員もいましたが、今では自宅で校務や成績処理、授業の準備もできるようになりました。持ち帰りの仕事を勧めているわけではありませんが、先生からはテレワークができる環境について好意的な意見をいただいています」(林氏)

もちろん、教員の働き方改革だけでなく、児童生徒のChromebookの活用も進んでおり、プレゼンテーションのスライドをグループで共同編集したり、動画入りのレポートを作成したり、ICTを活用した学習が日常の学びに溶け込んできました。自分から表現しようとする子どもが増え、自己肯定感の育成への効果を感じているとのことです。

さらに町田市教では新たな市の実証事業として、モデル校の中学2年生と小学5年生を対象に1人1台の持ち帰り学習も始め、1人1台環境が本当に子どもたちの学びに寄与するのか、どのような活用が学びの効果を高めるのかについて検証しています。文部科学省もGIGAスクール構想を打ち出し、今後は1人1台の整備が加速するなか、町田市教では環境整備に終始せず、「1人1台がもたらす学びの価値」にこだわっていく考えです。

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