2023年04月05日
デジタルアーツ株式会社
【セミナーレポート公開】 兵庫県立大学の竹内和雄准教授と尼崎市教育委員会が登壇
~ネットトラブルから児童生徒を守るフィルタリングの活用方法~
情報セキュリティメーカーのデジタルアーツ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:道具 登志夫、以下 デジタルアーツ、証券コード2326)は、2023年3月16日に実施した「専門家と教育委員会が語る!ネットトラブルから児童生徒を守るフィルタリングの活用方法」のセミナーレポートを公開します。
GIGAスクール構想によって学校での端末利用が普及し、持ち帰り学習を実施している学校も増えています。持ち帰り学習には利点も多いですが、学習の範囲を越えた利用や端末の使いすぎなどの懸念もあります。本セミナーでは、児童生徒のネット事情に詳しい兵庫県立大学 竹内和雄准教授と、ICT教育に積極的に取り組む尼崎市教育委員会様をお招きし、児童生徒をインターネットの危険から守るための対策についてお話しいただきました。
GIGAスクール構想で進む端末利用、失敗体験からも学ぶことが重要
2019年に文部科学省が発表した1人1台の学習者用PCと高速ネットワーク環境などを整備するGIGAスクール構想は、当初2023年度までに整備する計画でしたが、新型コロナウイルス感染症の影響により計画は2020年度内に前倒しされました。準備不足などもあり、当時はフィルタリングを導入できないなど多くの問題も発生しました。
国は、学習面においては体験的に学ぶアクティブ・ラーニング、生徒指導面においては児童生徒が自ら考えて行動する自己指導能力の育成を求めています。これは児童生徒の端末利用においても同様で、端末を文房具として配布したからには端末利用における失敗体験からも学ぶことが重要です。
持ち帰り学習やネットによる誹謗中傷対策に課題が残る
ICT CONNECT21の調査によると※1、GIGA端末の活用において困っていることとして、学校間格差が59%、教員のスキルが51%、ネットいじめ対策が21%、学習以外の端末利用が18%という結果となることが分かりました。現在の主な課題として、深夜の端末使用や学習に関係ないページへのアクセス、後を絶たないネットでの誹謗中傷などがあります。持ち帰り時の対策やネットでの誹謗中傷対策が必要です。現在、多くの自治体がチャットの使用を禁止していますが、誹謗中傷を防ぎながらも、児童生徒たちが失敗から学ぶ経験が失われないように、対策を考えていかなければなりません。
尼崎市教育委員会では、深夜のGIGA端末の利用を制限、ネットいじめにつながるNGワードも設定
尼崎市は、幼稚園9園、小学校41校、中学校18校、高等学校3校、特別支援学校1校を有する、児童生徒数32,647人(2022年5月1日時点)の自治体です。
尼崎市教育委員会は、学習者用端末導入当初からデジタルアーツのWebセキュリティ製品「i-FILTER@Cloud」GIGAスクール版を利用しています。児童生徒が深夜にGIGA端末を利用しているという課題があり、曜日や時間ごとにインターネットの利用を制限できる「i-FILTER@Cloud」の「時間割機能」を設定するよう、各学校に呼びかけました。
各学校に呼びかける際に注意したことは、「エビデンスを提示する」ということです。尼崎市教育委員会が調査したところ、尼崎市では平日、平均で小学校は約40%、中学校は約90%の学校において1人以上が深夜にGIGA端末を利用していることが分かりました。こうした現状を各学校に伝えたところ、2023年3月時点で約91%の学校が深夜のインターネット利用を制限できる「時間割機能」を活用するようになりました。
また、尼崎市教育委員会では、竹内准教授やデジタルアーツと連携し、小・中・高等学校に通う児童生徒と保護者が、スマホやタブレットなどの情報端末機器に関して使い方やルールを考える「尼崎市スマホサミット」を開催しています。
サミットでは、発見・認知が難しいいじめの事例として、児童生徒からGIGA端末での書き込みやSNSでの匿名の誹謗中傷などが挙げられました。
尼崎市教育委員会は2022年度から「i-FILTER@Cloud」の「見守りフィルター」機能を試験的に活用しています。サミットでは、児童生徒たちが話し合い、GIGA端末でいじめにつながるような絶対に使ってはいけない言葉を「NGワード」として設定しました。もしNGワードを投稿しようとすると、管理者に通知され投稿できない仕様になっています。この「見守りフィルター」を活用し、いじめの未然防止・早期発見につなげたいと考えています。
Webセキュリティ製品「i-FILTER@Cloud GIGAスクール版」のご紹介【デジタルアーツ説明】
安全なWebコンテンツのみアクセスできる「ホワイト運用」により、授業で利用するWebサイトのみアクセスする環境を実現できます。
「i-FILTER@Cloud」のネット依存対策に活用できる機能として、「時間割機能」があります。曜日や時間ごとにインターネットの利用を制御するように設定することができます。この機能を活用することで、児童生徒の深夜や授業時間外の端末利用を制御できます。
さらに、「i-FILTER@Cloud」のネットいじめ対策に活用できる機能として、「見守りフィルター」という機能があります。児童生徒が自殺や家出、いじめにつながる言葉などブロックしたいワードを検索・書き込みしようとすると、ブロックと同時に指定されたメールアドレスへメール通知します。
「見守りフィルター」により、いじめ被害を受けている児童生徒の早期発見といじめ行為の防止、いじめを行っている児童生徒への指導につなげることができます。
本セミナーに関してのお問い合わせは下記までお願いいたします。
event@daj.co.jp
▼「i-FILTER@Cloud」GIGAスクール版について
デジタルアーツのWebセキュリティクラウドサービス「i-FILTER@Cloud」GIGAスクール版は、GIGAスクール構想における1人1台端末を、教育の現場で安全にかつ円滑な学習ができるよう利用いただくために改良した学校用フィルタリングサービスです。国内導入シェアNo.1※2の「i-FILTER」におけるフィルタリングデータべースを基に、学習の現場に合わせたきめ細やかなフィルタリングルール設定が可能です。
https://www.daj.jp/es/
▼見守りフィルターについて
「i-FILTER@Cloud」の見守りフィルターは、ネットいじめにつながる書き込みや危険な単語の検索をブロックし、アラート通知を行います。
https://www.daj.jp/bs/lp/mimamori/
※1 一般社団法人 ICT CONNECT21「次期GIGA端末整備に向けたアンケート」全国1,741教育委員会に2022年11月~2023年1月の期間で実施
※2 株式会社富士キメラ総研「2022 ネットワークセキュリティビジネス調査総覧」Webフィルタリングツール市場占有率(2021年度)(2022年11月発行)
以上
- デジタルアーツについて
-
デジタルアーツはWebやメール、ファイルなどのセキュリティソフトウェアの提供を核に事業展開する情報セキュリティメーカーです。
1995年の創業以来、「より便利な、より快適な、より安全なインターネットライフに貢献していく」を企業理念とし、情報漏えい対策や標的型攻撃をはじめとするサイバー攻撃対策を実現する最先端の製品を、企業・官公庁・学校・家庭向けに提供しています。
https://www.daj.jp